2008年05月

昨年生保の不払いが大きく報じられた。生保各社の保険金不払いは、100万件を超え、910億円にものぼる。契約者を軽視した行為に強い憤りを感じる。

なぜこのように不払いが以上に多いのは、保険会社が保険金を支払わなくてはいけないと分かっていても、契約者から請求がないと支払わないためである。

さらに生保各社は少しでも高額な商品をつくりだすことに力を入れ、必要以上に複雑な特約を盛り込んでいるため契約者がその内容を理解できず請求しないままにしているためでもある。

生命保険に詳しい専門家は、日本の保険は国際的に見て割高であり、主契約より特約が多すぎて複雑になりすぎ、ほとんどの契約者が保険金をもらえる状況を把握できていないと指摘している。

また、保険料を滞納して契約が失効した場合には、積み立てた保険料の一部が返金される「失効返戻金」という契約条項があるが、解約手続きが取られないまま放置され、不払いになっているケースが大量に見つかっていることが分かった。

契約失効から3年経過すると、契約者は返戻金を受け取る権利を失うため、保険会社では葉書で手続きをするよう案内を出していると言うが、おそらく葉書を見ていない人は多いものと思われる。一回葉書を出してすぐに失効扱いにするのはあまりにも不親切な行為である。

保険会社は、いかにしたら保険金を支払わないですむかを考えているとしか思えない行為の数々である。主要都市の駅前に大きなビルを持ち、一方では契約者とのトラブルを引き起こしている生保のあり方が浮き彫りになってきた。

昨年、これらのことが新聞やテレビで盛んに報じられたため、解約や新規家約が激減し、2008年3月期の決算で主要12社中10社が減益で12社合計では11.6%の減益となった。

ただ、新契約から受け取る保険料を一年分にならした年換算保険料は、12社中一社を除いた11社がマイナスだが、その一社は外資系である。

東京国立博物館で、「国宝 薬師寺展」を見てきました。平城遷都1300年を記念して開かれました。3月25日~6月8日までの開催でまもなく終わるので行ってきました。

国宝の日光、月光菩薩立像は、日本の仏教彫刻の最高傑作のひとつとして知られていますが、そろって寺の外で公開されるのははじめてだそうです。
薬師寺では、真ん中に国宝薬師如来像、左に日光菩薩、右に月光菩薩がともに立ち、金堂薬師三尊像といわれています。

日光菩薩は、右側に重心を置き、上体を左に、頭を右に傾け動きを示しています。対照的に月光菩薩は左側に重心を置き、上体を右に傾けています。この動きはインドの彫刻、中国の彫刻を経て日本に伝わってきたものだそうです。自然で、生き生きとした印象を受けました。
                    
これらの彫刻がつくられたのは、飛鳥時代か奈良時代というから7世紀か8世紀頃とみられていますがはっきりしないようです。

普段薬師寺では、両菩薩の側面や背面から良く見えないそうですが、今回は、横、真後ろ、少し離れた上のほうからも見ることができました。

今回国宝が8点展示されていますが、八幡三神坐像も国宝です。興味深かったのは僧形八幡神です。神が僧の形をしているのです。
今は神と仏の関係はほとんどありませんが、江戸時代までは神社と寺院が隣り合っていたり、神社の中に寺院があるというのは当たり前だったそうです。そういえばそのような光景を以前見かけたような記憶があります。両者が関係を持つのは8世紀のことだそうです。

薬師寺は、680年に天武天皇によって藤原京に建てられ、718年に平城遷都に伴い現在の場所に移転したが、造営は808年頃まで続いたそうです。しかし災害や戦火によって消失し、当時の建造物は東塔だけとなっています。また薬師寺は、1998年12月に世界遺産に登録されました。

前々から感じていたことですが、参議院の存在意義です。今回のように参議院で多数を占めた野党が、法案を次々と否決するため、国会が混乱している状況をみると参議院のあり方に疑問を持ちます。

参議院の任期は6年で解散がありません。3年ごとに半数が改選されますが、今回のように過半数を割ってしまうと最低3年は回復できません。

したがって衆議院で政権交代ができても参議院で交代できなかったときは、国会に混乱を引き起こします。なぜなら現在がそうであるように法案を衆議院で可決したとしても、参議院でことごとく否決できるからです。

これまでも与党が両院で多数を占めていたときは、参議院は衆議院のコピーに過ぎないといった不要論が出されてきました。

本来参議院は、衆議院に対して抑制、均衡、補完の機能を果たす、良識の府であるべきです。したがって参議院を政党から切り離すべきだという意見も出されました。

わが国は衆議院に基礎を置く議院内閣制をとっています。議院内閣制は衆議院で占めた多数派が内閣を組織し国会や国民に責任を負う仕組みであるはずです。しかし、参議院が強い力を持つと議院内閣制の趣旨に反することが起こりうるのです。

現行の憲法で認められている衆議院の優越規定は、首相指名、予算、条約承認を明確に認めていますが、通常の法案では衆議院の三分の二の再可決規定があるだけです。

改革案はいろいろ言われてきましたが、衆議院の再可決の用件を三分の二から過半数に改め、衆議院の優越をより明確にすべきだとか、参議院の選挙制度も六年の任期や、三年後との半数改選は米国上院をまねたものでほとんど意味がないなどの指摘です。これらは憲法59条にかかわるものなので憲法の改正が必要になります。

この項を書いていた昨日、「自民、一院制を目指す議連発足、森、小泉、安倍が顧問に」というニュースがテレビで報じられました。

今回のような無意味な国会混乱を避けるためにも結論を早めるべきです。

Tさん、お元気ですか。

いろいろな分野で格差の広がりが話題になっていますが、都道府県や市区町村の間でも同じ動きがあり、住民はどこに住むかによって満足度や負担が大きく変わり始めています。その差は、首長の地域経営力によるものです。

今日、本屋で47人の知事を評価しランク付けをしている雑誌を見つけました。
評価は5項目で、各項目を5段階とし、25点が満点です。5項目ごとに点数をつけ、その理由が簡単に書かれています。

結果を見ると一位が福岡県、最下位が広島県です。宮崎県は二位グループ、大阪府は上位に入っていました。東京とは下位です。評価の内容を細かく書くと営業妨害になりかねないので省きますが、それなりの理由が書かれています。

全部の知事の動向を把握しているわけではないので、この結果についてコメントすることはできませんが、つい知りたくなる情報です。

本を手に取ったとき、低位に位置づけられた知事にはそれぞれ言い分もあるはずなのに、よく順位をつけたなあと感じました。しかし、読んでみると当たり障りのない表現をしていますし、目に角を立てるほどのこともないというところでしょうか。それにトップと最下位との差はある程度ありますが、前後の順位との差はわずかです。

最近病院の順位付けをよく目にしましたが、知事の評価は以外でした。記事のタイトルが「地域経営者」としての“良い知事・悪い知事”と付けられていたので、視点をある程度絞っていますが、なかなか評価は難しいと思います。

企業の場合でも、業績や成長力、開発力、安定度などと評価項目はたくさんありますが、総合評価をするときはかなり割り切らざるを得ないのではないでしょうか。

これまでも市区町村(以下、自治体)の順位付けが行われてきましたが、主に財政面でのものでした。これからは住民が自治体を選ぶようになると思います。医療や教育、環境などさまざまな視点で住民は自治体を選んで移り住むようになります。

そのためにはそれぞれの視点を表す評価項目とその定量化が必要になります。このことによって自治体の特徴が明らかになり、他の自治体との比較ができます。これまでは自分の住んでいる自治体の水準を知ることは出来ませんでした。今後このことが実現すれば、その結果を参考にして自分の生活の場を自由に変えることができます。

また自治体には、住民の満足度を高めるための努力を期待できます。住環境を数字で表わすことにより、客観的に評価でき、自治体間の競争力を高めて、よりよい方向に向かうものと思われます。実現が待たれます。

Tさん、このことについて感想や意見をお聞かせください。

国会の混乱振りは目を覆うばかりである。審議を放り出したままにしたり、議長の議場入りを妨害したり、かつてよく見られた行動そのままである。議事運営になんの進歩もなくむしろ後退しているほどである。情けない。国会は議論の場であり、与野党双方が議論を尽くして最終的には多数決で決するものである。

参議院で野党が多数を占めてから、議会は混乱し、停滞したままである。テロ特措法しかり、暫定税率しかりである。

インド洋上で給油を続けるためのテロ対策特別措置法は、昨年の11月1日に期限切れとなったが、新テロ対策特別措置法として今年の1月11日成立した。その結果、一旦引き上げた自衛隊は再び現地に向かった。

ガソリン税と呼ばれる道路特定財源の暫定税率は1993年に引き上げられて以来5年ごとに延長されてきた。今回、突然税率が引き下げられた結果ガソリン価格は値下がりしたが
ほぼ一ヶ月でもとに戻された。

その間地方自治体の道路事業はストップしてしまった。一方ガソリンスタンドは値上げを見越して駆け込みの注油で大混乱。スタンドは混乱に巻きもまれただけで終わった。これはなんだったのか。

政治は国民生活を混乱させているだけの印象を強くした。民主党は何をしようとしているのかさっぱり分からない。何も伝わってこない。
参議院の優勢をたてに混乱を引き起こし、政権を取ろうとしているように見受けられる。まったく手段を選ばないやり方である。

すべてに反対し、議会を欠席し、議案審議を拒否し、強硬手段をとり、批判を繰り返す。こんな民主党が、かりに政権をとったとしてこの国をどのように立て直すのか。はっきりと示して欲しい。

まだある。首相への問責決議案をちらつかせている。民主党は衆議院に出席して自民党からの造反議員のでるのを待つというのである。正々堂々と持論をもって議論をし、採決ではっきりとした態度を示すために出席するのではないのである。あきれてものが言えないとはこのことをいうのではないか。政治をもてあそばないで欲しいものである。

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