2012年09月

民主党の代表と自民党の総裁が決まった。両党の代表選挙の盛り上がりは対照的だった。民主党は首相と3人の閣僚経験者が立候補し、首相が再選され。自民党は閣僚や党執行部経験者の5人が立候補し安倍候補に決まった。
 
民主党が新宿で初めて行なった街頭演説会では声が聞こえないほど激しいヤジが飛んだ。民主党の現状を表している。3年前には圧倒的な支持を得て政権交代をしたが期待は大きく裏切られた結果というえよう。
 
民主党の立会演説会はわずかな回数で終わった。再選が確実視されていたこともあってか、首相は公務優先を口実に演説会の開催は消極的だった。
 
しかも3人の候補者は反野田姿勢を鮮明にし、野田批判を行なった。これでは演説会は逆効果になってしまう。だれだって内輪もめを見せられればうんざりするにきまっている。結局首相が68%近くの支持を得て再選された。
 
自民党は19カ所で街頭演説会を行った。当然演説の内容は野党批判になったが、政権奪還は間違いないとみられていることもあって関心を集めた。選挙は石破候補が地方票を55%確保したが、過半数に至らなかったため国会議員で決選投票が行われ、108対89で安倍候補が選出された。
 
かつて自民党は派閥政治であったが、今回の総裁選では派閥が機能しなかった。また長老の動きもみられたが結局無視された。メディアは、自民党が古い体質を引きずっていると言いたいようだが体質は変わっているようだ。
 
メディアは何事につけて問題があるかのような書き方をする。そのほうが売れるからだ。一部の反対意見を取り上げて大げさに書く。なにもしていないうちから安倍総裁と石破幹事長との関係が悪化するというのだからあきれる。
 
民主党は輿石幹事長が再任される。政調会長には細野環境相、国会対策委員長には山井国会対策副委員長が昇格した。また幹事長代行には安住財務相が起用される。
 
党執行部の人事は、完全に選挙向けとみられている。輿石幹事長の留任は解散を遅らせるためとの指摘もある。解散を遅らせても状況がよくなるわけではない。かえって逆効果だ。選挙で民主党は大きく議席を減らすことになるだけ。
 
民主党は70人を超す離党者を出した。選挙が近づくに従ってこれからも離党者が出るもようだ。後8人が抜けると国民新党を合わせた与党は過半数を割ってしまう。選挙基盤のない新人議員は民主党にいては当選の可能性は低い。日本維新の会を頼りにするしかないようだ。
 
日経新聞が行った調査によると、次の選挙で投票したい政党は、自民党の35%、民主党の14%、日本維新の会の12%となっている。この調査は、注目を浴びた自民党の総裁選直後に行っているが、総裁選挙が注目を集めたのに対して民主党の代表選は盛り上がりに欠けた。このことが影響を受けたものと思われる。
 
しかし国政に初参加の日本維新の会が12%と2位の民主党の14%に迫っていることは興味深い。しかも4位を大きく引き離している。4位は3%で、国民の生活、公明党、みんなの党、共産党の4党となっている。
 
政党支持率では自民党が大きく上昇して37%、民主党がやや下がって19%となっている。8月の調査で無党派層が27%だったが、今回は17%に下がっている。その分が自民党支持に回ったのだろう。
 
民主、自民両党の党首のどちらが次期首相にふさわしいかとの問いでは、安倍総裁が41%で野田首相の28%を引き離している。
 
これらの結果を見ると日本維新の会への期待が大きいことがうかがえる。既成政党への不信感のあらわれだろう。日本維新の会は次の衆議院選挙で300~400人の候補者を立てるようだ。
 
ただ日本維新の会の人気も陰りが見え始めている。日経新聞が8月に行った調査では日本維新の会に期待するが59%、期待しないは32%であったが、今回の調査では期待するが45%に減って、期待しないが44%に増えている。いろいろな情報が入ってくるに従って期待だけでなく不安が入り混じっているのだろう。
 
2009年に政権交代をしたとき民主党に対する期待が大きく膨らんだ。民主党の国会運営や政権運営、政策立案、党運営などの能力などほとんど情報がないままに選択をしてしまった。それはあまりにも自民党がひどい状態だったためだ。
 
当時自民党政権は、小泉政権の後、安倍、福田、麻生と首相が1年で交代していた。2007年の参議院で野党が半数を占めるネジレ状態になった。国会は民主党の反対にあってほとんどの審議は進まなくなってしまった。そのうえ閣僚の不祥事や失言などが続いた。そのため2009年の衆議院選挙で「まだマシだろう」という思いから自民党への批判票が民主党へ投じられたのだ。
 
既成政党が不満だからと言う理由で投票するのは同じ間違いをする。日本維新の会は国政に参加したことすらない地域政党なのだ。衆議院選挙には、そのことを考慮して投票すべきだろう。
 
国会では優先すべき法案がある。まず赤字国債法案を成立させなくては地方自治体などに金がとどかなくなってしまう。また最高裁判所から違憲状態と指摘を受けている一票の格差を是正しなくてはならない。民主党は、一票の格差是正と議員定数の削減や選挙制度改革を一体的に成立させようとすることは止めるべきだ。選挙制度改革は時間をかけて検討すべき事項で、一票の格差是正と切り離すべきだ。
 
民主党が解散を引き延ばそうとすれば、次の選挙でさらに議席を失うことになるだろう。このことを肝に銘じるべきだ。

民主党と自民党の党首選挙の立候補者がほぼそろった。地域政党の大阪維新の会が国政参加のために動き始めた。これで政治が変わるかどうか。多くの人は政治に変化を求めている。これだけ変化を起こす可能性がそろったのだから国政にとって大事な時期なのだろう。しかし、なぜか期待が持てない。
 
自民党の総裁選挙の立候補者は6人になった。谷垣総裁、安倍元首相、町村元官房長官、石原幹事長、石破前政調会長、桜井政調会長代理。抜きんでた候補者はいない。
 
この中で党の総裁と幹事長が立候補するのは好ましくないとして大島副総裁が同席して話し合いをした。谷垣総裁は出身派閥の古賀会長に協力を要請したが断られた。古賀会長は谷垣総裁と折り合いが悪く、たびたび執行部批判を繰り返してきた。
 
谷垣降ろしに森元首相や、すでに引退している青木元参議院銀会も加わった。長老組は石原幹事長を推しているが、石原側はイメージダウンになると迷惑気味だ。ただ9月2日に講演会で石原幹事長は、「私は谷垣総裁を支えてきたが、谷垣総裁を支えるために政治をやってきたのではない」と述べた。
 
それ以前は谷垣総裁が立候補すれば支援すると言っていたはずなのに、この発言は自ら立候補をすると宣言したようにも聞こえる。党内から批判が出た。
 
4日に、石原幹事長は、最後まで谷垣総裁を支えると釈明したが、結局谷垣総裁を辞退させてしまった。幹事長が総裁を差し置いて立候補するとはおかしなことだ。
 
谷垣総裁は67歳。当選回数10回。国土交通大臣や財務大臣を歴任。2009年民主党への政権交代時に総裁に就任。その後鳩山、菅と2人の総理大臣を辞任に追い込んだ。経歴、実績からみれば候補者として文句をつけようがないはず。人柄の良さが出る一方、線の弱さも感じられる。
 
谷垣総裁は、民主党政権を解散に追い込めなかった責任を問われたのだろうか。消費税増税法に反対する問責決議案に賛成したためか。あるいは世論調査で支持が少ないためか。たしかに石破、石原との差は大きい。長老たちは、間近に迫った総選挙に勝つための顔を重視したのだろう。
 
谷垣総裁は、後一歩で首相の座につけたはず。無念の決断だろう。最終的には石破、石原に安倍の3人に絞られるのではないか。
 
自民党の総裁選の動きを見ていると派閥の力が急速に弱まっているのがわかる。かつての総裁選は派閥間の戦いであった。現在自民党には7つの派閥がある。最大は町村派の43人。200人ほどの国会議員のうち無派閥が50人を超している。
 
派閥はあたかも小政党のようにみえる。1つの選挙区に定数が3~5人の中選挙区制のとき自民党は、派閥の棲み分けを行い、勢力を伸ばしていった。しかし小選挙区制入や政党助成金の導入が派閥の力を弱めていった。なんといっても野党になって派閥の意味がなくなってしまった。今回の総裁選で派閥は目立った動きはなかったが、政権を握ると復活する可能性はある。
 
民主党の代表選挙には野田首相、赤松元農相、原口元総務相、鹿野前農相の4人が立候補。政権政党でありながら70人を超す離党者を出した。このことの責任はあいまのまま。野田代表へも、輿石幹事長へも何の批判もでない。選挙では大敗が予想されていることもあって盛り上がりに欠けるし、関心は薄い。
 
9日、話題を集めている大阪維新の会が公開討論会を開いた。国会議員の出席者は7人で全員が合流を予定している。内訳は、民主党の衆議院議員が2人と参議院議員が1人、自民党の衆議院銀が1人、みんなの党の参議院議員が3人。4人の参議院議員は当選1回。ほとんどの議員は知名度が低い。維新の会とすれば政党要件を満たせばいいのであって、ヘンに主張されても困るのだろう。
 
合流する議員たちは選挙目当てと言われている。顔ぶれをみるとそういわれても仕方がない。
 
討論会の冒頭で橋下代表は、7人の国会議員の価値観が同じなのかを確認すする会にすると話していた。しかし、7人の国会議員は、事前に価値観を確認して出席をしたと述べた。これでは確認をする必要はないはず。5時間半にも及んだ討論会で参加した議員の発言はわずか。盛り上がりに欠けたものになった。
 
橋下代表は総選挙に300人~350人の候補者を立て、過半数を目標にするそうだ。そんなことになるはずはないが、国政に初参加の政党が、国会運営のカギをにぎるとなると混乱をきたすだろう。
 
民主、自民の2大政党の党首を決める選挙が行われ、地域政党が多くの候補者を擁立して国政に参加しようとしているのに関心が持てない。それは民主、自民の党首選は国民が参加しないためなのか、変化の兆しが感じられないためなのか。総選挙になると政策論戦になり関心が高まるのだろうか。

今月3日、メディアが、政府が尖閣諸島の購入について地権者と合意したと報じた。地権者は東京都以外には売らないとい伝えられていただけに意外な感じがした。官房長官は記者会見で地権者と大筋合意をしたことを表明したのだから間違いないだろう。
 
ところが8日に石原知事がテレビで、仲介者から地権者は合意をしていないと連絡があったことを話していた。地権者はまだ迷っているとも話していたという。どうもはっきりしない。
 
石原知事は政府の発表に対して、「どういう発表をしたかしらないが一種のだまし討ち。人に返事もしないで無礼というか卑劣、ペテンだ」と怒りをぶちまけた。
 
さらに「漁民を守るための最低限のインフラを作るのは政府の責任ではないか」とも話している。新しい政府と交渉し、その政府にやってもらう。それまで何も動かない方がいい」とも話している。
 
その後テレビで知事は、もし政府が大筋合意をしたのなら口をはさむべき問題ではない。集まった寄付金の14億7000万円は国に譲渡すると述べている。知事は島の管理を国に任せるつもりなのだ。
 
政府が購入するのは魚釣島、北小島、南小島の3島。購入価格は20億5000万円。価格まで決まっている。しかし算定の根拠は公表されていない。
 
政府は、東京都が求めていた船溜まりや灯台などの構造物は作らず、現状のまま維持する方針。中国を刺激したくないのだろう。
 
過去に石原都知事は、尖閣諸島の購入をしようとしたことがあるが、地権者に断られている。大地主である尖閣諸島の地権者は、戦中、戦後に土地を政府に没収されるなどしたことから政府を信用しなくなった。そのため尖閣諸島は自分たちで守り、絶対に売らないと決めていた。
 
地権者は政治家とは一切会ったことがない。ところが知事と地権者との間につながりがあることがわかり、会うことになった。
 
2012年4月に石原知事はワシントンで行った講演で、地権者から買い取ることで基本合意をしたことを明らかにした。地権者と30年来の友人である参議院議員の仲介で極秘交渉をした結果、売却を決断した。
 
政府は東京都が地権者と交渉を始めたことを知ってあわてた。とにかく政府は、尖閣諸島問題で中国を刺激したくない。東京都が購入すれば島に施設を作ることは目に見えている。それを阻止するためには国有化しかない。そこで政府は東京都と地権者の間に割り込んで交渉を始めた。
 
政府は賃貸契約を続けるつもりだったが、東京都が動き出したためほっておけなくなった。そこで77日に首相は国有化の方針を表明した。中国のメディアは刺激的な発言を繰り返す石原知事に対する反発は強い。そこで政府は中国からの反発をすこしでも弱めるため国有化を決めた。
 
819日に石原知事は首相と極秘に会っている。そのさい知事は国有化を認めるかわりに、国による漁船の退避施設や電波中継基地、気象観測所などの建設を求めた。
 
91日石原知事は、首相から返事を1週間待ってほしいと言われた。ところが2週間たっても返事がない。怒った知事は、来月には自分が島へ行くとまで言い切った。
 
官房長官は、石原知事が国有化容認を条件に回答を求めていることについて、「都から政府に正式にそういう話は一切ない。公式にお答えする話でもない」と述べている。どうも食い違いが多い。
 
20109月に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件後、中国は交流事業の停止やレアアースの輸出停止、ゼネコン社員の身柄拘束などの措置を取った。今回も国有化をすれば必要な措置を取ると強硬だ。
 
それにしても地権者は東京都にしか売らないと言っていたのに、急に政府に売ることになったのはなぜだろうか。石原知事は地権者と交渉をしていた額より随分高くなっていると話している。価格が決め手になったのか。
 
地権者側は、国も民主党政権は信用できないとしていた。石原知事については、40年間、領土問題でブレなかった石原さんなら信頼できる、石原さんのいる東京なら私は譲る、男と男の約束だなどと話していたそうだ。地権者は石原知事を相当信頼していたようだ。
 
首相が国有化の方針を表明し、政府が地権者と接触を始めると地権者に変化が出始めたという。当初地権者は、石原知事が主張している船だまりや灯台などの設置に賛成していたが、最近、何もしないようにしてくれと言い始めたようだ。
 
地権者がある場所に所有する不動産に20億円以上の根抵当が設定されている。政府はこれを調べて価格を提示したのか。都が購入まで議会の承認手続きなど時間がかかるのを待てないのか。政府は予備費を使えば手続きに時間はかからない。
 
どうやら政府は数億円と見積もっていたようだが、東京都の寄付金の動きを見ながら結果的には20億5000万円を提示した。根抵当権とほぼ同じ額だ。
 
9月2日、東京都は、調査船を使って尖閣諸島の資産価値や活用方法などを10時間近く調べた。国から許可を得られなかったため上陸をしないで船上から調査をした。購入価格を決めるため不動産鑑定士を同行している。島は野生化したヤギが植物を食い荒らしたため岩場が露出し、一部崩壊しているようだ。
 
近々国有化は決まるだろう。政府はあまりにも中国との関係を気にしすぎている。当初石原知事は集まった寄付金の14億7000万円を国に渡すと言っていたが、施設建設に使うことに方針を変えた。東京都が購入するから寄付した人も多いだろう。施設建設の費用にあてるなら納得されるかもしれない。それに政権交代後に期待したのだろう。
 
中国とのかかわりのある尖閣諸島の購入には国民の関心は高まっている。だから寄付者が10万件も超えたのだろう。それにしても購入価格の根拠がはっきりしないのが気になる。
 
所有権が問題になっている尖閣諸島は、明治政府が何度も現地調査を行っている。その結果、中国の支配下にない無人島と確認し、1885年(明治28年)日本の領土に編入することを閣議決定した。
 
その後政府から無償貸与を受けた民間人が1885年から1940年(昭和15年)にかけて鰹節工場などを建設し経営していた。一時は島に280名あまりが暮らしていた。昭和15年以降は無人島になっている。
 
1932年(昭和7年)政府は民間人に1万5000円で払い下げた(今の価格に換算すると約2500万円程度か)。1970年代に現所有者に約4600万円で売却されたが価格は推定。2002年(平成14年)からは政府が賃貸した。総務省は年間約2450万円を支払っている。
 
それにしてもいったん東京都が所有し、漁船の退避場などを建設させる方法はなかったのか。中国は反発するだろうがその設備も航海の安全には必要なものだ。その後国有化してもよかったのではないか。知事によると施設建設は外務省が強硬に反対していたという。外務省は、中国との関係悪化を極力嫌っている。政府は今後の方針を明確にしないで現状のままにしておくつもりなのか。

今月、民主党の代表選挙と自民党の総裁選挙が行われる。総選挙が近いこともあって選ぶのは選挙に強い候補者。自民党が第1党になることはほぼ間違いないようだ。しかし過半数には達しないというのが大方の見方。それでも公明党との連立で過半数になるだろう。
 
政権が変わっても参議院のネジレ状態は変わらない。過半数は121議席だから、自民党の87議席と公明党の19議席を足しても16議席足りない。ただし自民党にはたちあがれ日本の3議席と無所属の会の2議席を加えている。
 
総裁選の立候補者には、谷垣総裁、安倍元首相、町村元官房長官、石破前政調会長、林政調会長代理に石原幹事長の名前があがっている。下馬評では石破、石原に安倍が有利とみられている。
 
安倍元首相には健康に不安があるのではないかというウワサが流れている。本人がきちんと説明すべきだろう。
 
谷垣総裁は出身派閥の古賀会長から支持を得られなかっただけでなく、森元首相と青木元参議院銀会長も支持しないことで一致した。完全な谷垣おろし。こんなところで自民党の古い体質が出た。
 
かつてのように派閥を前面に出しての争いは弱まったが、2年前に引退した青木元参議院議員会長や引退を表明した森元首相が影響力をもっているのだ。
 
今回抜きんでた候補者はいない。まだ政策の発表をしていないうちに判断するのは早計だが、お互いの政策に大きな違いはないだろう。
 
一方民主党の代表選挙の候補に7人の名前が挙がっている。しかし決め手に欠け、野田首相有利の状況に変わりはない。細野環境相を擁立する声が上がっている。代表としての資質は分からないが、41歳という若さが取り柄か。
 
選挙後の動向は連立や連携である。民主党の形がどのようになるか。分裂するか、一本にまとまるか。形によっては参議院をにらんで自公民の連立もありうるだろう。
 
大阪維新の会との連立や連携もありうる。ただし当選者数次第。大阪維新の会に参議院議員はいない。仮に他の党から合流しても少ないだろう。したがって大阪維新の会と連携をしてもネジレ解消にはならない。
 
自民党は長年政権を担当したこともあって閣僚や党役員経験者は多い。民主党に比べれば政権運営に対する不安は少ない。しかし難しい課題が多い。エネルギー問題や自然災害対策、消費税と税の一体改革の構築、デフレ脱却、円高対策、経済成長戦略、米国、中国、韓国との関係修復、沖縄米軍普天間基地移設問題、オスプレイの導入など山ほどある。
 
国民は多くの不安を抱えたまま。特に景気回復と安心できる社会保障制度の整備。早急に日本の将来像を描き、達成のための具体策を示すべきだ。たとえば高福祉・高負担なのか、中福祉・中負担なのかなど。それに成長戦略の具体策も示してほしい。成長分野はいやというほど聞いた。問題は実現のための方策だ。特に規制緩和ができるかどうかだ。
 
それに地方分権を進めてほしい。中央集権、官僚主導の仕組みは限界にきている。官僚主導を変えるには地方分権しかない。選挙後の大阪維新の会の動きが気になる。地方分権に対して既成政党や官僚からの反発が予想される。これらを跳ね返して地方分権を推し進めることができるかどうか。
 
地方分権は国会議員や官僚の仕事が少なくなることだ。議員自ら自分の仕事を減らすことができるか。この改革は大阪維新の会に期待したい。
 
国民は、自民党の総裁選挙や民主党の代表選挙に参加できないが、政策を聞く機会はもてる。次の選挙で党を選ぶ多少の参考になるかもしれない。
 
それにしても民主党のように、選挙目当ての党内のごたごただけはごめんだ。政治への不信感が強まっただけ。政治への信頼感を取り戻すには国会で真剣な政策論争を行うしかない。

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