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新年を迎えたがなんとも不安な幕開けだ。原因は鳩山首相だ。主な理由は、リーダーシップがなく、発言がぶれる。もともと”軽い”という評価を受けていた。軽いとは、いろいろな意味を含んでいるようだ。それにしてもあれほど期待されて政権交代をしたにもかかわらず、内閣支持率は急降下してしまった。すぐに評価をすべきではないという好意的な見方もあったが、もう待てないということかもしれない。まだ3ヶ月しかたっていないというが、3ヶ月の間にさまざまな問題を引き起こしている。

その一つが、なんともはっきりしない偽装献金疑惑がある。政治資金収支報告書に書かれている個人献金者が、すでに亡くなっている故人であったり、献金した覚えのない人の名前が書かれていたり、存在しない住所の人であったりした。このことで二人の秘書が在宅起訴された。

関連して首相の資金源が判明した。首相の政治団体に、実母から2002年以降の7年間で12億
6,000万円が提供されていた。ところがこのことを首相はまったく知らなかったという。しかし、これを贈与と認め、分かった時点の翌日に約6億円の贈与税の納付手続きをしたことを明らかにした。

裕福な家庭に育ったので、お金の管理ができなかったという。資産が多ければ、当然管理は適切に行なわれるなずだ。自分の資産管理もできないような首相に国の運営を任せていいのだろうか。

小沢幹事長も西松建設の献金問題。公設第1秘書が逮捕された。そして土地購入にかかわる疑惑が問題になっている。新政権の党の二人がこんな状況では信頼などできるわけがない。

普天間基地移設問題では、先行きの見通しがまったく見えない。10年度の予算編成では国債の発行額が税収を超えてしまった。そして政権公約では目玉だった暫定税率が維持されることになってしまった。これは唐突に発表されたCO2の25%削減目標と矛盾する。暫定税率は、政権公約の財源にするためだ。

暫定税率の維持は小沢幹事長が決めたことだ。幹事長は、全国からのすべての陳情を幹事長室を通すことにした。受け入れるかどうかの判断基準は残議員選で民主党に投票するか否かだ。この陳情をまとめて、国民の声だといって政府へ提出した要望書に、暫定税率の維持が書かれていた。どこの国民が暫定税率を維持して欲しいと言ったのだろうか。閣僚を前にして幹事長は政治指導になっていないと政府を一喝した。これに嫌気が差した藤井財務大臣が辞任してしまった。

二重権力構造を指摘されたいた新政権は、実権が完全に小沢幹事長に移ってしまい、みんなが幹事長の顔色をうかがう状況だ。

特に不快だったのは事業仕分けだ。マスコミを集めたお祭り気分の無意味なパフォーマンスだ。これに乗せられたマスコミのおかげで話題になり、一番驚いているのは民主党ではなかったか。国民はこのことを評価しているのが情けない。評価の理由がはっきりしない。ムダをなくすことを目的として行われたのだろうが、こんなことでムダがわかるわけがない。スーパーコンピュータの一件でそのことが明るみになった。マスコミもだらしがない。本来ムダの排除はマスコミの一番大切な役割なのだ。それを太鼓持ちのような報道をしていた。国の行く先を決める予算を、このような簡単な手続きで否定するような行動は、強く批判されるべきだ。

国の理念やビジョンが示されないままに個別の政策が立案されたり、事業が削られてしまった。閣僚は勝手な発言をするためにいたるところで混乱をきたしている。特に多方面から要望の強かった成長戦略がなかなか示されない。基本方針は、なんと予算が出された後にようやく示された。しかし、具体策はこれから検討するとのことだ。とにかくすべてが遅い。

今月から国会で予算審議が行われるが、その直前に、予算編成の中心であった藤井財務大臣が辞任してしまった。急遽管副総理兼国家戦略担当が財務大臣になった。ところが翌日の会見で、、驚いたことに財務大臣の立場では最も言ってはいけない為替水準を、数字まであげて言ってしまった。しかも望ましい為替水準とまで言った。とたんに為替は円安に動いた。さすがに鳩山首相は財務省をかばいながらも苦言を呈した。

すぐに管財務大臣は謝罪の会見を開いたが、その一方で自分の発言で大きなマイナスを与えることになったとは思っていないという。まったくこれが財務大臣の発言かとあきれてしまう。為替はかならず相手があるのだ。円の先にはドルやユーロがあるのだ。その国は日本の財務大臣の無知のために為替が勝手に動かされたらたまったものではない。それに円安でマイナスの影響を受ける企業もあるのだ。現に円高で輸入品は値下がりし、消費者は恩恵を受けているのだ。財務相は国際的にも信用を失いかねない。

結局新政権はこの国をどのようにしていくかの理念がまったくないので、閣僚が勝手な行動や発言をするのだ。普天間基地移設問題などはその典型だ。理念がないうえに首相の発言がぶれ続けるのでまったくまとまりがなくなってしまうのだ。

連立を組んだ小党に引き釣り回されているのも問題だ。郵政民営化を後戻りさせ、官僚の天下りを公然と認めてしまった。

公共事業の無駄をなくすと公言していたが、とにかく事業費を削ることを重視しているため、地方への影響は大きい。雇用へ煮影響、税収の減少などにつながる恐れがある。あたらしい雇用対策があれば影響を少なくすることができるが、先に削ることばかり優先させているため国民に不安感を与えてしまう。

とにかく新政権の政策は付け焼刃のような印象が強い。マクロ経済の専門家がいないままに政策をつくっているため、景気の浮揚はあまり望めないかもしれない。とにかく政治は国民生活との関連は強いのに、政治と国民との距離はかけ離れている。選挙が終わるともう政治に関心を示さない。その理由は、政策を自分の生活とのかかわりで理解することが難しいからだ。いろいろ政策が示されても、自分の生活にとってどのように影響するのかがわからないのだ。政治家は国民が分かるように説明しないし、あるいは説明できないと言ったほうがいいのかもしれないが、分かりにくいのだ。

国民も政治に近づいていく努力をしようとしない。国民が政治に対する関心を示せば政治家は、分かりやすい、丁寧な説明をしようと努力をするようになる。ただ、テレビ出て芸能人にあしらわれている姿を見ると情けなくなって、応援しようとする気が失せてしまう。政治の質が低すぎる。どうしてこんなになってしまったのか。国民の責任かもしれない。バカなテレビ番組に出ても国民から批判も文句も言われないから、顔を売るためだけにそうしているのかもしれない。やはり国民の責任は重い。