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なんとも不愉快なニュースだ。民主党の小沢幹事長の3人の元秘書が逮捕された。そのうち1人は現職の国会議員だ。そしてもう一人は昨年3月にゼネコンからの違法献金事件で逮捕、起訴されている。逮捕理由は、幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入の4億円の資金を政治資金収支報告書にしていなかったためだ。

昨年の3月に秘書が逮捕されたときは民主党の代表を辞任したが、今回は自ら幹事長を継続すると宣言し、なんと鳩山首相はこれを支持し、激励した。不思議なのは相変わらず民主党内からはなんら批判的な発言はない。異常だ。このまま来週から開かれる国会を乗り切ろうというのか。幹事長を辞任すると検察への圧力が弱まってしまうと考えているのだろうか。

今日開かれた民主党の党大会で、幹事長は自己弁護と検察批判をしていた。今、抱えている多くの問題を何も語らなかったのか。なんのための党大会だったのか。幹事長は、今後は党務を他のものに任せて、自らは検察と戦うというのだ。政権政党の幹事長が国会での政策論議をほっておいてだ。しかも唖然としたのは首相が幹事長に検察と戦ってくださいと発言したことだ。首相の立場で言うべき言葉ではない。

今回の逮捕理由は、政治資金収支報告書への虚偽記載というがそれだけではない。検察は、4億円という巨額資金の出所を問題視しているのだ。元秘書は土地購入資金は幹事長の個人資金だとこれまでの任意の事情聴取で述べているようだ。しかし、検察はダムの建設の受注ををめぐりヤミ献金が行われたのではないかという疑いを持っているように見受けられる。

民主党の党大会で、2002年に斡旋収賄罪で逮捕され有罪が確定したムネオハウスで知られる国会議員を挨拶させている。現在当該議員は最高裁判所に上告中だ。この議員は大会の席上検察批判をしている。盗人猛々しいと言われるが、このことを言うのではないのかと首を傾げてしまう。それにしてもなぜかこの議員と小沢幹事長が重なって見えてくる。幹事長の検察批判は追い詰められているためなのか、本当に疑惑はないのか。

元秘書は虚偽記載を認めているが、もし今回の事件が虚偽記載だけならば秘書に罪を押し付ければすんでしまう。しかし、違法献金があるとしれば秘書レベルではすまされない。幹事長の党大会でのいい訳がテレビで放映されていたが、検察はこの映像から幹事長の心理状態を読み、分析しているはずだ。それにしても異様で異常な党大会だ。党員の誰からも異論がでないのだ。

しかし、あれほど検察批判をするなら、自ら出向いて説明すべきではないのか。検察から何度も任意の事情聴取の要請があったがすべて応じていない。結局自分が口をつぐんでいれば事実は闇に葬られるとでも思っているのではないのだかろうか。

なぜ今3人の元秘書が逮捕されたのか。それは証拠隠滅、特に自殺を恐れたのではないか。今回あの事件の時効が今年の3月であること、国会が18日から開かれるが、そうなると国会議員への対応に制約がでることなどにより逮捕したものと思われる。

民主党に自浄作用が見られないとすれば、国民が強い批判の意思を示すしかない。先の小泉人気から今度は民主党へ鞍替えした国民は、また期待を裏切られてしまった。実はこの責任にはマスコミの存在がある。このことは多くの人が感じ取っている。やはり国民一人一人が政治に強い関心を持ち、参加の意識を示すことである。政治の質を上げるにはそれしかない。